CV japonais

Alain Cazalis

1) 経歴

グルノーブル高等美術学校卒業後、東京藝術大学に二年間留学。日本の版画技術の基礎を学ぶ。帰国後、1985年までシテ・アンテルナショナル・デ・ボザールの版画アトリエを担当。同時に

画 家・版画家として活躍し、デュペレ国立工芸専門学校、シャラントン・ル・ポン市の造形芸術アトリエにて子供、大人のクラスを担当。2005年、アルビ市の 版画コンクール、凸版部門で一等賞。2002年と2005年にユープ・ステュープ賞。2010年グラヴェ・マンテュナン賞。フランスと海外にて様々な展覧 会やサロンに度々参加し、パリとイル・ド・レのアトリエで創作を続けている。

2)孤独な船乗り

「移 民」をテーマにした版画のシリーズでは、海を舞台に自分一人の意志と生き抜く必要性に押され、自分が逃れようとしていたもの、侮辱、権力関係、金銭的欲 望、恐怖などに対面しなければならない移民たちを描こうとした。殻を剥いだ人間は無防備な動物である。愚かさと疑惑に流され、偏狭な国粋主義に排斥され、 自分の可能性と歴史の欠片を抱えて、大陸と海を放浪し、そのエネルギーを吸収してくれる親しい土地を求め続ける。人と物を慎み深い眼差しで観察し、柔軟で 強く、風向きが悪くても、いつでもチャンスをつかもうとしている。危ういバランスを保ちつつ、この世の誰でもと同じく、自分の滞在許可がそのうち期限切れ になるのを認識している。

「海はゴミ箱ではない」と題したペン入りの版画シリーズは海洋汚染の問題を巡る様々な考えから生まれた。人間は使 用済み、不用になった物の80%を海に捨て、人目を忍んで現代の排泄物を隠す便利な場所となってしまった。孤独な船乗りたちはその多種多様な障害物を避け ながら新しい受け入れ国に達しようとしている。それは日常の妨げや悩みを乗り越えようとする我らにも似通ったところがある。

Artiste peintre-graveur